新生児腸管虚血の早期診断のためのドップラー超音波による門脈血流測定 EJPS
Neonatal Portal Venous Blood Flowmetry by Doppler Ultrasound for Early Diagnosis of Ischemia in Intestinal Tract
Eur J Pediatr Surg Georg Thieme Verlag KG Stuttgart · New York
Megumi Kobayashi, Masaru Mizuno, Atsushi Matsumoto, Go Wakabayashi
Purpose
・この論文の目的は、門脈血流とその他の血行動態を測定することで、NECへと続く虚血を早期に診断できるかを評価することである
Patients and Methods
・新生児で合併奇形を伴わない75例 ・門脈血流を超音波ドップラーで測定し、血行動態の評価を行った ・全新生児に対して1か月後にfollow upした ・在胎週数の平均は30.5週で平均出生体重は1172gであった
Results
・門脈断面積、血流速度、門脈血流量は体重と正の相関が認められた ・1500g以下の新生児と1500g以上を比べると、1500g以下の方が、門脈断面積と体重の正の相関は強かった ・門脈断面積と血流速度は門脈血流量を維持するために経時的に変化していた ・出生後の体重増加が不良な症例では、門脈血流の増加も不良であった ・7症例において、腹部症状の出現の前に門脈血流量の減少が認められた ・門脈断面積と門脈血流速度の減少は、NECのどんな症状のonsetより前に認められた
Conclusions
門脈血流量の減少はNECの早期診断に有用かもしれない
Comment
岩手医大の小児外科、小林先生より。これもちょっと本文読みたいですね。門脈の断面積ってどこでどうやって測れば良いのだろう。そしてやはり小児外科医がエコーを当てているのだろうか? ( 結構な労力のはず… ) 門脈血流は確かに大事なのはわかりますが、やはり施行者によるばらつきと、同じ人でも回によるばらつき多い気もします。