Note of Pediatric Surgery

腸内細菌、R、ときどき小児外科

Dockerを使ってLEfSeを超簡単に実行する

16S rRNAアンプリコンシーケンシングによる菌叢解析をする際、relative abundanceの群間の検定には、多くの論文でLEfSeが使われています。

galaxyproject.org

LEfSeのインストールは、一昔前はそれなりに大変で、こんな記事を書いたりしたものです。

pediatricsurgery.hatenadiary.jp

久しぶりにローカルで動かそうと思ったのですが、そういえばどこかでDockerイメージができたって書いてあったなと思って、探してみたらありました。

hub.docker.com

ちょっとつまづいたところもありましたが、めちゃくちゃ簡単で感激したので、備忘録を残しておきます。ちなみにDockerとは、この記事あたりがわかりやすいですかね。

qiita.com

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LIPID MAPSによる脂質の分類の階層テーブルを作成する

はじめに

脂溶性代謝物の解析をしており、いろいろと調べています。脂質の分類には古典的にはBloorの分類というものがあるようですが、この分類には当てはまらない物質も数多く存在するため、あまり厳密ではないようです。

ja.wikipedia.org

どうやら、最近ではLIPID MAPSという脂質の骨格に基づいた8分類が使われており、この論文でも使用されていました。

www.sciencedirect.com

どの脂質がどの分類に当てはまるかは、ざっと調べたところ、テーブルファイルにはなっていなくて、LIPD MAPSのウェブサイトにhtmlファイルとして掲載されているだけでした。いちいちクリックしないと階層が表示されないし、このままでは解析には到底使えないので、テーブルをファイルを作成してGitHubに共有しました。

間違いなどがあっても困るので、作成方法なども含めて記事にしておきます。

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Rの計算終了時に{mailR}を使って通知を飛ばして生産性を上げる

はじめに

時間がかかるスクリプトを走らせてる間、僕はついTwitterを見てしまうのですが、いつも処理が終わったのに気づかず、ダラダラとTwitterを見続けてしまっていました。計算が終わった時点で通知がくればいいなと思って、方法をいろいろ調べてみたのですが、結局、{mailR}で自分にメールを飛ばすという方法がいいのではないかと思ったので記事を書きます。

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{omu}を使用した代謝物データとKEGGの解析

{omu}とは

install.packages("omu")
library(omu)

omuはメタボロミクスデータセットの迅速な解析と直感的なグラフ作成を可能にするRパッケージです。統計解析はもちろんできますが、データセット内の代謝物に代謝物クラス (炭水化物、脂質など) を割り当て、関連する機能orthologyや遺伝子名をKEGGデータベースから収集することができます。

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Apple IDを入力した際に出る "不明なエラーが起きました" の対処法

システム環境設定からiCloudにサインインすると、"不明なエラーが起きました" もしくは “An unknown error occurred” と出てログインできなくなるという問題が生じました。環境は

MacOS 10.15 MacBook (12inch) 2017 late

です。ちなみにブラウザからiCloudのサイトからは普通にログインができる状態です。エラーをググってみると、いろいろと困っている人がいて、いくつか解決らしきものがヒットします。

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SeleniumでNCD検索システムから全経験手術症例を1つのCSVファイルに抽出する

はじめに

とある事情により、自分の経験症例数を算出する必要がありました。一般外科医であれば、自分の登録症例はすべてNCDに登録されていると思います。自分の経験症例を検索するにはNCD検索システムにアクセスする必要があります。

NCD検索システム

手術症例数の件数表示は、施設別、術式別、術者別に一覧表示できるのですが、ここで大きな問題が。

  1. 施設・術者・術式の複数を組み合わせたフィルタリングができない
  2. 手術は20件ずつ表示されて、それ以上の設定はできない

というクソ仕様になっていました。NCDには術者助手に関わらず、自分が入った手術がカウントされていると思いますが、自分が術者として執刀したそれぞれの手術のカウントをするには、20件ずつクリックしてカウント、もしくはExcelにコピペしていなきゃいけないということになります。1500件近くあったので、この作業を75回も繰り返すのは嫌だ!

たまらずNCDの事務局にCSVなどで自分の経験症例を一括ダウンロードできないものかと問い合わせましたが、秒でだめですと返信が返ってきました。というわけで、せっかく勉強したのでPythonスクレイピングしてやりましょう。

www.pediatricsurgery.site

CSVでリストが手に入れば後は、Rでいかようにも料理できますので。

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SeleniumとPythonでスクレイピングをやるために必要な準備

はじめに

Twitterで少し前に「業務ハックしてクビにならないために」というエントリが話題になったと思います。

note.com

昔からスクレイピングというものをやってみたいとずっと思っていたのですが、このエントリでSeleniumというもの存在を知り、劇的に業務効率を改善させられる (自分がクビになるくらいのインパクトだったとのこと) と知ったので興味を持ちました。Seleniumというのは一言で言ってしまえば、自動でブラウザを操作する為のライブラリということです。Pythonからも動かせるみたいなので、Pythonの復習がてら、またこの技術を使ってやりたいことがあったので導入してみました。

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鈍的肝腎脾損傷における早期離床の安全性

はじめに

f:id:Razumall:20190923084044p:plain

October 20, 2008
Safety of Early Mobilization of Patients With Blunt Solid Organ Injuries
Jason A. London, MD, MPH; Lisa Parry, BS; Joseph Galante, MD; et al
Arch Surg. 2008;143(10):972-976. doi:10.1001/archsurg.143.10.972

だいぶ昔の抄読会で作った資料を読み返す機会があったので、せっかくなので記事を作ってみました。

前任地では、血行動態が安定した腹部鈍的外傷に関しては、bed rest protocolで加療していました。基本的には2週間の床上安静の後、腹部造影CTで評価してから離床を始めるというマネジメントだったのですが、3週間前後の入院期間となり、患児や家族にとって大きな負担となっており、入院期間をもう少し短くすることができないか、調べてみました。

割と興味があって昔いろいろとまとめたのも思い出しました。

www.pediatricsurgery.site

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ロイガヴェーグルトレッキングに実際に行ってわかったこと

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7月の第1週、ちょっと早めに夏休みをとってアイスランドに行ってきました。Laugavegur (ロイガヴェーグル) というルートでトレッキングをするというのが一番の目的でした。実は海外トレッキングをする際にいつも参考にさせてもらっているブログがあるのですが、そこでベスト1のトレッキングルートだと紹介されていたので、いても立ってもいられず行ってきました。こういうのに本当に弱い。

trailtravelers.net

Laugavegur自体の素晴らしさや詳しい情報は、Trail Travelersさんをはじめ、いろいろなところにまとめられているのでそちらを参照してください (記事の最後にまとめています)。

さて。このブログでお伝えしたいことは実際に行ってわかったことや、行く前にわからなくて困ったこと、ちょっとしたアドバイスをお伝えします。

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学会発表で悩めるMacユーザーに贈る、Windows PCで確実にプレゼンする方法

はじめに

Macユーザーの皆さんは学会でのプレゼンテーションはどうしていますでしょうか?

1つの解決策としてはWindowsとの共用フォントを使えばいいのだと思いますが、Windowsで最適とされるフォントの組み合わせがMacでうまいこと使えなかったり、そもそも宗教上の理由でヒラギノしか使えないという僕みたいな人も一定数いるのではないかと思います。

あとはPDFしちゃえばいいじゃんという声も聞こえてきそうですが、少なくとも医学系の学会ではPDFでのプレゼンテーションはみとめられていないことが多いと思います。

フォントの埋め込み

尚、Macにしか入っていないフォントをpptファイルに埋め込んで、Windows PCで開けるようにする という方法もあります。ここらへんは 伝わるデザイン に詳しく記載されているのですが 、残念ながら

実はWindows版のPowerPointにはファイルに「フォントを埋め込む」という機能があります。この機能を使えば、どのパソコンでも自分の好きなフォントでプレゼンすることができます。 この方法は、Windows版のPowerPointでのみ使える方法ですのでご注意ください。

ということで、MacPowerPointでは使えないようです。

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