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Note of Pediatric Surgery

腸内細菌、R、ときどき小児外科

ELISAの測定結果をRで計算する 1. 4パラメーターロジスティック曲線とは

R

ELISAの測定結果を求める時に、どうやっても検量線のR2が0.9前後になってしまって、なかなかいい値が出なくて困っていた時がありました。そもそもELISAの検量線はどう回帰させれば良いのか、実験を始めた当初はよくわかっていなかったので、同じ様な疑問を持っている方の1つの解決策になればと思って記事を書きます。

ELISA」「検量線」などを使ってGoogleで調べると、いつもお世話になっているBio Technical フォーラム のスレッドに辿り着きました。

BioTechnicalフォーラム [ELISAの標準曲線の作成法]

ELISAキットは何を測るものか分りませんが、キットのマニュアルに検量線の例が載っていませんでしたか? 例のグラフのR2値が同様に低いのでしたら、そのままで良いのではないでしょうか? またサンプルが何かも分りませんが、キットのサンプル処理方法の指示通りにされるといいですね。

ELISAの場合、理論的には検量線はシグモイド(競合ELISAなら逆シグモイド)になるので、直線近似というのは、シグモイドの『濃度が低すぎず、高すぎない範囲においてほぼ直線性が成り立つ』という性質を利用しているわけです。ちなみに、シグモイド、逆シグモイドの関数は四係数ロジスティック曲線というそうです。

取り敢えず私が使用しているELISAキットのマニュアル確認してみました。僕が使っていたのは、Bethyl Laboratories, Inc.のMouse IgA ELISA Quantitation Setです。これをよく読むと以下のような記載がありました。

 y = \frac{ A - D }{ 1 + ( x / C )^B } + D

この中に4-P Fitという記載の後に上記の式が記載されていて、これがこのキットにおける推奨されている回帰式ということのようです。この4-P Fitとは4係数ロジスティック曲線のことで、僕が使用しているキットでは、この回帰式を用いて値を測定することが推奨されていました。4係数ロジスティック曲線は恥ずかしながら初めて聞く単語だったので調べてみました。

成長曲線(ゴンペルツ曲線とロジスティック曲線)<確率・統計<Web教材<木暮

成長曲線(ゴンペルツ曲線とロジスティック曲線)

生物の個体数、新製品の販売数、プログラムのバグ発見数など、当初は少なく、中途で大きくなり、その後また少なくなるような現象は多くあります。それを時間の推移と累積量をグラフにすると、下図のようになります。これを成長曲線といいます。

代表的な成長曲線に、ゴンペルツ曲線とロジスティック曲線があります。両者とも、似たようなS字型の曲線で、時間xが経つにつれ、増加が止まり一定値Kに近づきます。ロジスティック曲線は変曲点を中心に左右対称になりますが、ゴンペルツ曲線は対称性がないのが大きな特徴です。

ELISAでも吸光度は直線的に無限大まで増加するわけではなく、ある一定のポイントで飽和してくることは理解できると思います。4パラメーターロジスティック曲線は、上記の様に、A、B、C、Dの4つのパラメーターで規定される曲線です。A、B、C、Dの係数の意味ですが、

A: 下方漸近線
B: スロープパロメーター
C: 縦軸が ( A + B )/2 である中間点の横軸
D: 上方漸近線

です。下方漸近線 ( A ) はシグモイド曲線の最小値、上方漸近線 ( D ) はシグモイド曲線の最大値、C はAとDの中点を取る時のXの値でELISAの場合は濃度、そしてスロープパラメーター ( B ) は曲線の形を調整する係数のようなものということです。

回帰させる曲線の種類がわかったところで、実際に回帰式を使用して、吸光度からIgAの濃度を測定していきたいと思います。しかし、この4係数ロジスティック曲線は、Excelで描くのは難しいようです。専用の統計ソフトを使用すればできるようですが、面倒くさそうだし、そもそも専用の統計ソフトなんて持っていません。ここで登場するのは神様仏様R様です。Rを使って4係数ロジスティック曲線を描き、吸光度をもとに濃度を求める方法を次の記事で紹介致します。

参考