Note of Pediatric Surgery

腸内細菌、R、ときどき小児外科

日本大肛会誌: 小児結腸ポリープの病態と治療に関する検討

小児結腸ポリープの病態と治療に関する検討

日本大腸肛門病会誌 61:476―480,2008

はじめに

  • 26例中20例が男児、6例が女児
  • 初診時平均年齢は1-13歳、平均4歳対象と方法
  • 注腸造影が1st choice
  • マルチスライスCTで補助診断
  • 直腸→経肛門的ポリープ切除
  • S状結腸より上→内視鏡下polypectomy
  • ファイバー:乳児→9mm上部用、幼児→11.2mm下部用
  • 大量出血をきたした巨大ポリープ症例で開腹に至っている

結果

  • 乳児症例はなし
  • 初発症状:下血 65.4%、ポリープ脱出 23.1%
  • 1例が自然脱落、2例で直腸脱と誤診された
  • 発生部位:肛門1、直腸7、S状結腸13、下行結腸1、横行結腸4
  • 前例が単発
  • 8-30mm(平均18.8mm)
  • 全例が若年性ポリープだが、1例にdysplastic changeあり

考察

  • 悪性化の可能性のある若年性ポリーポーシスとの鑑別が重要
  • 発がんのリスク因子:家族歴がありポリープ3個以上
  • 単発であれば癌化することはない
  • 有病率は2%
  • 発生年齢は3-5歳
  • 85%が直腸、S状結腸
  • 注腸造影が1st choiceだが糞便の誤認を避けるため、前処置はしっかりと

Comment

数ヶ月にわたる肛門出血で外来フォローしている方が直腸脱で数日前に救急外来を受診していました。ただし血便と直腸脱のタイミングはまったく一致しておらず。リンパ濾胞過形成かな?と思って経過をみていたのですが。やはりポリープでしょうかね。写真を撮ってもらったのですが遠景で鑑別はつきませんでした。外来で再現性はないので、今度は近景で撮ってきてもらおうと思います。そんなこんなでぱっと読んだ日本の論文です。

後日談

お母さんが撮ってきた近景の写真を見るとやはりポリープでした。ちょっと嬉しかったです。