PSI: 小児鼠径ヘルニア嵌頓に対する従来法と鏡視下手術の比較
Incarcerated inguinal hernia management in children: ‘a comparison of the open and laparoscopic approach
Pediatric Surgery International
June 2014, Volume 30, Issue 6, pp 621-624
Pankaj Kumar Mishra, Katherine Burnand, Ashish Minocha, Azad B. Mathur, Milind S. Kulkarni, Thomas Tsang
Purpose
- 鼠径ヘルニア嵌頓に対して、開腹と腹腔鏡でアプローチの転帰を比較した
Methods
- 方法:後方視的検討
- 対象:小児外科4施設に搬送された鼠径ヘルニア嵌頓
- 用手的整復は全症例に施行
- 失敗例が緊急手術へと以降した
Results
腹腔鏡群
- 27例
- 4例が整復できずに緊急腹腔鏡手術となった
- そのうち3例が小腸の絞扼で、腹腔鏡下に減圧できた
- 絞扼腸管の色調は不良だったが、鏡視下にそれが改善していくのが観察できた
- 残りの1例は虫垂が絞扼しており、虫垂切除を要した
- 1例は臍ヘルニアを合併しており修復、もう1例は幽門切開術を同時に施行した
- 1例が精巣の萎縮、1例に術後水腫、1例に対側再発を認めた
従来法群
- 45例
- 11例が整復できずに手術
- 2例で小腸切除を要した
- 1例で停留精巣を合併していた
- 開腹群では再発なし、1例に精巣萎縮、7例に異時性のヘルニアを認めた
Conclusions
- 従来法と腹腔鏡で小児鼠径ヘルニア嵌頓の手術の安全性に差異はなかった
- 腹腔鏡手術もしくは従来法の際の”hernioscopy”は対側の腹膜鞘状突起の開存の検索に有用
Comment
腹腔鏡群と従来法の2群の振り分けの記載は本文か…。個人的には絞扼腸管の牽引をどうやってしているのか気になるところ。僕はまだ嵌頓鼠径ヘルニアを整復できなかった経験がないのです。72例中15例が整復失敗って、さすがにちょっと高すぎるのではないか?と。病院へのアクセスの違いなのですかね。