Note of Pediatric Surgery

腸内細菌、R、ときどき小児外科

PSI: 24時間以上の抗菌薬予防投与は新生児と幼児のSSIを減少させるか

Surgical site infections in neonates and infants: is antibiotic prophylaxis needed for longer than 24 h?

Lan T. Vu, Eric Vittinghoff, Kerilyn K. Nobuhara, Diana L. Farmer, Hanmin Lee Pediatric Surgery International June 2014, Volume 30, Issue 6, pp 587-592=

Purpose

  • 24時間を超える周術期抗菌薬投与が新生児および幼児のSSIを減少させるか検討する

Methods

  • 期間:1996年-2006年
  • 対象:準清潔もしくは汚染消化管手術を受けた新生児と幼児
  • 患者と手術に関係する因子、周術期抗菌薬投与期間、30日以内のSSI
  • 後方視的に診療録で検討
  • 共変量調整と傾向スコアで交絡因子を調整した

Results

  • 732手術のうちSSI発症率は13%
  • 傾向スコアを使用し、SSIの発症率のodds比は24時間以上群と24時間以下群で同等であった。(OR 1.1, 95 % CI 0.6–1.9)
  • 共変量調整を行っても結果は変わらなかった
  • この多変数モデルはSSIの予測因子を3つ示した
  • 術前感染症の存在(OR 3.9, 95 % CI 1.4–10.9)
  • 30日以内の同じ創からの再手術(OR 3.5, 95 % CI 1.7–7.4)
  • 30日以降の同じ創からの再手術(OR 2.3, 95 % CI 1.4–3.8)

Conclusion

  • 準清潔もしくは汚染消化管手術を受けた患児では24時間以上の抗菌薬投与はSSIを減少させなかった
  • 適切な無作為の臨床検討がその検討には必要だった

Comment

当然と言えば当然の結果ですが、汚染消化管手術に腹膜炎が含まれるのかどうかが気になるとこです。今本文にはアクセスできないので後で調べてみます。共変量調整と傾向スコアに関しては勉強が必要ですね…統計学は一度網羅的に勉強しないと。